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ゾーン 最終章

投稿日 : 2020年5月25日

本記事では、マーク・ダグラスによって書かれた「ゾーン 投資心理学入門」に続き、2017年に出版された「ゾーン 最終章」をご紹介していきます。

本記事の内容

1. どんな本なの?

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この本は、多くの金融業界の著名人や企業から尊敬を集めるトレーダーであったマーク・ダグラス氏によって書かれた書籍「ゾーン 投資心理学入門」の15年後に出版された続編です。続編と言っても、享年67歳で亡くなったダグラス氏の書き残した原稿を、妻のポーラ・ウェッブさんがまとめ、電子出版(「The Complete Trader」)したものになります。

前作の「ゾーン 投資心理学入門」がページ数が334ページに比べて、本作は553ページとかなりのボリュームになっていますが、表現が非常にわかりやすくなっており、前作のような哲学的で回りくどい表現が少ない為、こちらのほうがより読みやすい内容になっています。正直、こちらを先に、いや、これだけを徹底的に読んでもいいかもしれません(笑)

内容に関しては、前作と伝えたい根本的な部分は変わりません。「ゾーン」で伝えた重要事項をより分かりやすく、かつ丁寧に様々な側面で述べてくれています。各部の最後には読者からの質問があったり、妻や友人の話も交えながらわかりやすく伝えてくれます。

投資心理学を学ぶ上では、まずこの1冊を選んで、自分が重要だと思う部分にたくさん付箋やマーカーを引いてみてください。きっと、今後のトレードに役立つ様々な名言が詰まっているでしょう。

2.伝えたいことは前作と同じ

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この本は、4部構成となっており、第1章から第20章に分かれています。かなりのボリュームにはなっていますが、読めば読むほど内容に深く入り込んでしまうこと間違いなしです。基本的な内容は前作と同じですが、より構成がしっかりとしており、わかりやすい内容となっています。

ゾーン 最終章の構成
  • 第1章 着実な成果を上げるためにはプロのように考える必要がある
  • 第2章 トレードに影響する複雑な心理
  • 第3章 相場分析は着実な成果を上げるカギではない
  • 第4章 値動きの仕組み――結局は注文の流れ次第
  • 第5章 トレードの仕組み
  • 第6章 売買注文の片寄りを生むさまざまな市場参加者
  • 第7章 売買注文の流れからテクニカル分析を見る
  • 第8章 テクニカル分析に固有の限界
  • 第9章 「分析に対する幻想」を理解する
  • 第10章 確実に損失を避けて勝つために分析に頼っても行き詰まる理由
  • 第11章 トレードの世界では考え方が主要なスキル
  • 第12章 着実に成果を上げるための精神的な基礎
  • 第13章 スロットマシンプレーヤーの視点
  • 第14章 分析に基づいて値動きに賭けるトレーダーはギャンブルをしているのか
  • 第15章 復習
  • 第16章 確率に基づく考え方を身につける
  • 第17章 メカニカルトレード
  • 第18章 裁量トレード
  • 第19章 直感的トレード
  • 第20章 トレード日誌を付けることの重要性 ポーラ・T・ウエッブ

相場における真実

私自身の感想としては、最も重要なことは序論に述べられており集約されているのではないかと思います。以下の3つこそ「相場における3つの大切な真実」だと思います。
  • 利益を出すために次に何が起こるか知る必要はない
  • 何事も起こりうる
  • どの瞬間も唯一のものである

本書では、どんなに素晴らしい分析をして、素晴らしいシステムやプラットフォームがあったとしても、あまり意味はなく、自分がどんな人間でどのような考えをもってトレードするのかを理解しなければならないこと。そして、トレードから具体的にどのような感情を生み出し、影響を及ぼすかを理解することが重要だと述べられています。

どれだけ優秀な人の「手法」だとしても、それを使う人が自分自身を深く理解し、相場と向き合うことができなければ、勝てるようにはならないんですね。そこまで「手法」にこだわる必要がないのも、ここにつながるのではないでしょうか。

また、本書で特に述べられているのは、どれだけ分析ができていて、優秀な手法だったとしても、個々の取引で勝つか負けるかは分からないという確率的思考です。これは、初心者の方には特に必見でしょう。そもそも、1つ1つのトレードでは、相場がどのように動くか、未来を予測することが不可能なのです。

言い換えるならば、様々なテクニカル分析によって優位性の高い手法やパターンは見つけることはできるが、個々の取引の結果はランダムであり損失のリスクをゼロにすることや、無くすことはできない。ということなのです。

この事実を知っているか、知らないかでは大きな違いです。知っているだけで、1つ1つのトレードでどんな結果が出ても、それをまず受け入れることができるようになり、損切もトータルで勝つための諸費用・経費のような認識を持つことができます。

よく初心者の人で陥るのは、何回か連敗するだけで「自分の手法は間違いだ、何かまた別の方法を…」と考えて、コロコロと手法を変えてしまうことです。これでは、いつまでたっても成長することはありませんし、勝てるトレーダーにはなれません。はじめから「1つ1つのトレードは、ランダムで、どんなことも起こりえる」と理解しているだけで、損失に対する苦痛や不安が無くなるのです。

自己を深く分析し、トレードを通して反省と改善を繰り返し記録し続け、自分の優位性のある手法を自己の信念に基づいて、淡々と繰り返していくこと。これが、勝てるトレーダーへの近道を言えるでしょう。